事業計画
中期経営計画
< 策定の背景・基調 >
(1)2021年、創立100周年を迎えるにあたり、組合員・役職員1万2300人の知恵と想いを寄せ合い、2030年にありたい未来を表現したビジョン「ターゲット2030」を策定。 誰もが住み慣れたまちで安心してくらし続けられる未来、子どもたちが笑顔であふれる未来に向けて、活動と事業をすすめていくことを宣言しました。
(2)2021年9月より、「ターゲット2030」の実現に向けた2030年までの具体的な道筋として、2023年度を起点とする中期経営計画の検討を開始。「住み慣れたまちで安心してくらし続けるために、なくてはならない存在」になることをめざし、 これからも組合員の声や願いに寄り添いながら、どのように歩んでいくかの論議を行いました。
(3)2022年度に、取り巻く環境、2030年の地域・社会が抱える課題を踏まえ、ありたい未来において、コープこうべが果たすべき役割を「3つの柱」として整理。また、2030年までの8年間を、前期(2023年~2026年)と後期(2027年~2030年)に分け、 前期の重点課題を「持続可能な経営基盤の確立に向けた構造改革」と位置付けました。
中期経営計画の詳細
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2025年度 事業計画
< 基本方針 >
コープのあるまち 協同のあるくらし
~やさしさつむいで 笑顔で未来(あした)へ~
組合員・役職員1万2300人みんなの知恵と想いを寄せ合って、2030年の“ありたいまち、くらし”を表現したビジョン「ターゲット2030」は生まれました。
私たちは、誰もが地域で安心してくらせる、そして、未来の子どもたちの笑顔があふれる、そんな「コープのあるまち 協同のあるくらし」の実現に向けて歩みをすすめています。
誰もが住み慣れたまちで安心してくらし続けられるために私たちが地域になくてはならない存在となれるよう、3つの柱「お買い物を通じたくらしの安心づくり」「いきいきとしたくらし、地域のつながりづくり」「環境や社会のためになる活動・事業モデルの促進」を軸に、さまざまな課題に組合員・役職員とともにしっかりと取り組んでいきます。
また、大きく変化する環境を見定めながら、将来にわたって持続できる経営基盤を確立するための構造改革をすすめます。
3つの柱
1.お買い物を通じたくらしの安心づくりをすすめます
2.いきいきとしたくらし、地域のつながりづくりをすすめます
3.環境や社会のためになる活動・事業モデルを促進します
重点課題
持続可能な経営基盤の確立に向け、構造改革をすすめます
おもな取り組み
1.お買い物を通じたくらしの安心づくり
すべての地域・世代で利用しやすい宅配を起点とした買い物サービスの実現
お買い物を通じた、地域との交流・地域課題の解決
取り組み例
- 宅配事業から買い物支援事業への転換をすすめ、週一宅配を中心に「めーむひろば」や「買いもん行こカー」、夕食サポート「まいくる」等を組み合わせた買い物支援の取り組みをひろげる。
- 地域や組合員一人ひとりの声に向き合い、くらしの変化に対応した利便性の高い『めーむ』紙面、インターネットの売り場づくりをすすめる。
- 行政と連携した見守りの取り組み等、地域との連携・協働による、お買い物を通じた地域課題の解決の取り組みをひろげる。
食料品を中心とした魅力ある店舗の実現
組合員の声・データをもとにした、より便利で楽しいサービスの提案
取り組み例
- 組合員ニーズや地域性に考慮した品ぞろえ・価格・売り場づくりに取り組み、組合員から信頼され、愛着を持っていただける店舗づくりをすすめる。
- コープ商品を通じた組合員・職員のコミュニケーションを強化し、認知度向上と利用拡大をすすめるとともに、商品の改善活動に取り組む。
- 組合員のお買い物やサービスの利用実態(宅配・店舗・共済)、ライフステージなどを組み合わせて、事業を越えたデータ分析をすすめ、利便性向上・利用促進につながる新たな施策にチャレンジする。
大規模地震・感染症等の非常時でも商品を提供できる体制の構築
万一の場合の保障を通じた「くらしの安心」の提供
取り組み例
- 阪神・淡路大震災から30年の節目として、頻発する自然災害や南海トラフ地震などの災害に対して、「備える」をテーマに取り組みをすすめる。
- 事業継続計画の訓練や見直し、災害時の対応についての行政・取引先との協議など、非常時でも商品を提供できる体制の改善・実行力の向上に取り組む。
- 共済と保険を組み合わせた「くらしの総合保障」の幅広い提案をすすめるとともに、健康づくりイベントを開催し、「くらしの安心」の提供に取り組む。
2.いきいきとしたくらし、地域のつながりづくり
若い世代をはじめとした、新たな組合員も参加しやすいしくみの構築
グループだけでなく、個人の活動も支援できる体制の構築
取り組み例
- 子育て世代、高齢者、生産者などが世代や地域を問わず交流できる「コープこうべアプリ」の機能の活用や、誰でも気軽にできるポイント募金の発展など、新たな組合員も参加しやすい取り組みをすすめる。
- 若者応援ポータルサイト「Konoyubi.(コノユビ)」や「ふれあいひろば」等を活用し、デジタルとリアルの双方で学生のネットワークづくり、参加の場づくりをすすめる。
- 個人活動者データバンク「デバンダス.net」の活用をすすめ、個人の活動を支援するとともに、活動支援のしくみづくりをすすめる。
地域課題の解決に向けた、多様な協働プロジェクトの創出
地域が必要とするコミュニティ機能を持った新たな活動拠点づくり
取り組み例
- 「地域つながるミーティング」をはじめ、地域団体や地域の活動者とつながる場の拡大や、地域課題の解決に向けて地域が協力しあえる環境づくりに取り組む。
- 居住支援・外国人支援・困窮者支援などの多様な課題解決に取り組む諸団体との連携や、子ども食堂・コミュニティ食堂の支援などを通じて、地域のつながりづくり、困難を抱えた方への支援をすすめる。
- 協同購入センターや店舗、コープのつどい場、福祉事業の施設などはもちろん、地域の施設も活用し、多世代の交流や、多様な活動の支援を行う。
心とからだの健康維持・向上に向けた活動の場づくり
高齢の方やその家族も含め、みんなが安心して過ごせるサービスの展開
取り組み例
- 活動支援の強化やイベントの開催など、「ふれあいひろば」のさらなる活性化に取り組み、組合員同士の学び合い・教え合い活動のサポートをすすめる。
- 「コープくらしの助け合いの会」、助け合い制度「コープむつみ会」、「たすけタッチ」の連携強化や活動の充実などに取り組み、組合員同士の助け合い、支え合いの輪をひろげる。
- 介護に関する学習会やフレイル予防の啓発、スポーツを通じた健康づくりなど、組合員の健康増進のサポートを行う。
3.環境や社会のためになる活動・事業モデルの促進
「エコチャレ2030」の推進を通じ、
組合員・地域とともに環境負荷の低減に向けた取り組みを推進
取り組み例
- 「マイバッグ運動NEXT」「リサイクル」「食品ロス削減」「プラスチック削減」など、これまで組合員とすすめてきた環境活動のさらなる促進に取り組む。
- SDGsやエシカル消費に関する学習会の開催、組合員・職員がエシカルやコープ商品を学び、語り継ぐ「語り手」の活躍の場づくり、脱炭素行動の促進など、持続可能なくらしへの理解者・実践者を増やすための取り組みをすすめる。
持続可能な食と農畜水産業の実現に向けた、生産者・組合員との関係性づくり
取り組み例
- 産地見学や生産者を招いての交流、「ひょうご地魚推進プロジェクト(とれぴち)」の取り組み等、生産者と組合員がつながり、相互理解が深まる取り組みをすすめる。
- エコファームの施設・機能を活用した、農業体験や外部と連携したイベントなど、持続可能な食と農について考える学習や交流の場づくりをすすめる。
障がいのある方が安心して働き、活躍できる場づくり
取り組み例
- 障がいのある方も働きやすく、多様性を受け入れられる職場・環境づくりをすすめ、障がい者雇用を拡大する。
- 福祉事業所に商品販売場所を提供する取り組みを継続するとともに、障がい者支援団体と連携し、障がいのある方の活躍の場づくりをすすめる。
社会貢献活動、環境活動への参加者の拡大と取り組み推進
広報・コミュニケーション力強化に向けたしくみづくりと実践
取り組み例
- 終戦80年の節目となる平和活動や、防災・減災の取り組み、子どもが抱える課題への理解促進など、これまでの活動のさらなる推進・参加の拡大をすすめる。
- 国際協同組合年を機に、職員が生協で働く意義の理解を深める「協同の体験を語り継ぐ」取り組み等を通じ、改めて協同組合について学び、活動や地域を大切にする職員づくりをすすめる。
- SNSを活用したファンづくりや、口コミがひろがるようなコミュニケーションの強化など、組合員や地域への積極的な広報をすすめる。
持続可能な経営基盤の確立に向けた構造改革
宅配事業の基盤整備
「あんしん宅配」の実現に取り組むとともに、コストの増加に対応するため、コスト構造の見直しをすすめます
- 組合員から信頼される「あんしん宅配」の実現に向けて、交通安全やコンプライアンス、生協理解などの学習をいっそう強化する。
- 訪問軒数の確保や職員の商品学習などに、協同購入センターと本部が一体となって取り組み、利用拡大をすすめる。
- 労働条件の改善、運営体制の変更など、職員の働きがい・働きやすさの向上に取り組む。
- 『めーむ』カタログ制作工程の見直しやペーパーレス化の推進など、コスト低減に向けた改革をすすめる。
店舗事業の構造改革
生協店舗としての存在意義(お買い物を通じたくらしの安心)の確立へ向けて、事業構造改革を着実にすすめます
- 店舗システムの入れ替えを機に、業務や働き方を抜本的に見直し、生産性の向上をすすめる。
- 研修プログラムの充実や接遇レベルの向上など、店舗の競争力強化に必要な人材の育成・確保に取り組む。
- 店舗情報誌のデジタル移行や新しいレジスタイルの検討、物流の見直しなど、コスト低減に向けた改革をすすめる。
- 営業終了基準・プロセスに基づく営業終了をすすめるとともに、営業終了基準に該当する店舗の業績改善に取り組む。
保障事業のチャレンジ
コープ共済の価値の浸透と、共済と保険を組み合わせた「くらしの総合保障」を推進します
- コープ共済の価値や理念の学習に取り組み、「たすけあいの輪」をひろげる推進活動を強化する。
- デジタル化を通じた、組合員の利便性向上と職員の業務改善による生産性向上をすすめる。
福祉事業の収支改善
持続可能な事業運営の確立に向けて、さらなる運営体制の強化と収支改善をすすめます
- 高齢者介護は、利用者の拡大による収支改善をすすめるとともに、事業を担う人材の確保に取り組む。
- 福祉事業内の連携強化や、社会福祉法人協同の苑との取り組みの検討をすすめ、運営体制の強化を図る。
- コープスポーツは、安定した事業運営の確立に向けて、認知度向上による参加者増と収支構造の再構築に取り組む。
協同学苑の方向性決定
学習機能の強化や、利用者増加による収支改善に取り組むとともに、今後の方向性を決定していきます
- 以前に利用された団体への働きかけや地域行事でのレストラン利用の促進など、収入拡大に取り組む。
- 学習機能や史料館、安全運転センターのしくみの再構築、行政との協議などを通じて、今後の方向性を決定する。
その他事業
- 葬祭サービス「クレリ」は、認知度向上に向けて広報強化に取り組むとともに、終活の学習会や啓発活動を行う。
- コープでんきを通じて、エネルギーに関する社会課題の学習をすすめるとともに、コープでんきの価値を伝え、供給件数の維持に取り組む。
ガバナンスの改革
事業構造の安定化(構造改革の推進)に向けて、公正かつ効率的な組織体制の確立をすすめます
- 規程の整備や管理体制の強化など、透明性のある組織、責任の所在が明確な組織をめざしたしくみづくりをすすめる。
【用語解説】
- 営業終了基準…業績不振店舗における営業終了基準(詳細は下記参照)。基準に該当する店舗から年度ごとに「営業終了候補店」を選定。選定した店舗の利用組合員にはがきでお知らせし、その後の一定期間の経営成績などを踏まえて、営業終了・営業継続を判断する(営業終了プロセス)。
<業績不振店舗における営業終了基準>
(2)冷蔵ケースのフロン対応などの設備課題があり、投資回収が見込めない(営業剰余率△4%以下)赤字店舗
※設備課題=4年以内に対応・更新が必要な設備
・実際の営業終了は、上記の基準をもとに、個別事情を考慮して実施時期・実施可否を判断します
・総代や地域コープ委員などへの事前の情報開示を行いながら、丁寧な合意形成に努めます
・この基準は、外部環境や経営状況を踏まえて、適宜、見直しを実施します