CROSS TALK コープこうべの組合員や職員が、社会的課題の解決を実践している人に話を聞き、レポートしていく連載企画です。

CrossTalk 特定非営利活動法人Co.to.hana 西川 亮さん×コープこうべ 岡田 みなみ

左:西川 亮さん 右:岡田 みなみ

2018年3月14日

第11回 つながりが生まれる場所を作るって素敵です

社会的な課題解決の手段としてさまざまな方法がある中、NPO法人Co.to.hana(コトハナ)は「デザインで社会を変える」というミッションを掲げておられます。私は、「デザインで」という言葉の意味が知りたくて、代表の西川亮さんにお話をうかがいました。

さっそくですが、西川さんの考えるデザインってなんですか。

問題を解決する手段です。困りごとや課題について話し合い、みんなのアイデアや行動で解決していくのがデザインだと考えています。デザインする対象は、コミュニケーションだけではなく、お金の流れや経営も含んでいます。

すごく新鮮な感じがします。「デザイン」には広い意味があるんですね!

デザインには「人に感動を与える力」「社会にムーブメントを起こす力」「人を幸せにする力」があります。

「社会にムーブメントを起こす力」って魅力的です。

Co.to.hanaという団体名は、Co(さまざまな人が集まって協力すること)to(社会へメッセージを伝えること)hana(想いをカタチにすること)という意味を込めています。

「本当はこうあるべきだ」「こうあってほしい」という理想があってこそ、くらしのなかの違和感や課題が見えてくるのだと思います。それを言葉にしたり、誰かに話したりすることが大事で、会話を重ねるなかで核心がみえてくることがあるんです。だから、いろいろな取り組みをするときには、みんなで作り上げていくことを大切にしています。

さきほど撮影をさせてもらった「北加賀屋みんなのうえん」も、Co.to.hanaが作ったデザインなんですか。

そうですね。「北加賀屋みんなのうえん」は、大阪市住之江区の北加賀屋で増えてきた空き家や空き地を利用した農園で、地域を元気にしたいという思いから始まりました。参加している人たち同士で農作業を学び合ったり、イベントを開催したりすることで、人のつながりが生まれる場所になっています。「みんなで調理できるような場所があったらいいよね」「集まれる場所があったらいいよね」という声が出て、カフェスペースも作ったんですよ。

参加者の声をもとに場所が作られていていいですね。とても楽しそうです!

僕たちは場づくりをしますが、その場を通して参加する一人ひとりが主体性を持って取り組んで、自分たちが住んでいる地域を豊かにしていくことを大切にしています。イベントをするときにも、「何がしたいのか」「何を得たいのか」をみんなに考えてもらうことで、参加する人が増えていると思います。

私もイベントを企画したことがあるのですが、なかなか人が集まらず苦労した経験があります。Co.to.hanaのイベントにはどうして人が集まるのでしょうか。

写真提供:特定非営利活動法人Co.to.hana

人に集まってもらうには、ただ思いを語るだけではなくて、具体的なプランやアイデアが必要です。人と人がつながるためのコミュニケーションをデザインして、説得力のあるものに仕上げることで、人をひきつけることができると思います。

「いしのまきカフェ「 」(かぎかっこ)」は長く続いているプロジェクトですね。

いしのまきカフェ「 」は、宮城県石巻市で2012年にスタートしました。当時、石巻市では東日本大震災の被災で経済情勢が厳しく、地元企業の求人も減少して、多くの高校生が卒業後は市外へ出て行ってしまう状況でした。
いしのまきカフェ「 」は、未来を担う高校生が地元とつながり、雇用を創出して社会に羽ばたける基地になることをめざして立ち上げたプロジェクトです。カフェは高校生たち自身が運営し、働く体験だけではなく、商品開発や事業を立ち上げるなど新しい取り組みが生まれています。

いしのまきカフェは、どんな風にデザインされたのですか。

普通に「震災復興のために何かをやろう」と声をかけても集まってこなかったと思います。「みんなのやりたいことを実現するカフェをみんなの手でつくろう」と呼びかけたんです。そうすると、「面白そう」「自分のできることをやろう」と、高校生が集まってくれました。

それでも、高校生だけでやっていくのは難しいと思うのですが。

そうですね。僕たちは会社でいう事務局や経理の役割を担い、伴走者として高校生たちだけでできるような環境づくりをしています。すべてをサポートし続けるのではなく、高校生同士が仲良くなって、小さなチャレンジにトライしながら成功と失敗を繰り返し経験してもらいたいと思っています。

Co.to.hanaはあくまでも伴走者だから、高校生たちが主体的に行動することにつながっているんですね!

参加して良さを実感した子が、後輩や弟、妹にすすめたり、卒業生が同窓会でつながりを作ったりしています。アルバイトやインターンとして働いている子もいるんですよ。

写真提供:特定非営利活動法人Co.to.hana

参加者と一緒に作り上げるから、それぞれ思いを持った人が集まって、自然と人のつながりが生まれているんですね。

Co.to.hanaの今後の展望を聞かせてください。

僕たちはいろいろな人をつないだり、伴走することが得意です。なので、分野や年齢などの垣根を越えて、多様な人が集まり社会の課題を解決していくプラットホームを作っていきたいと思っています。みんなが学び合えたり、新しいアイデアを生み出したり、展覧会ができたりする拠点です。
また、海外にも同じような拠点を作って、その国や地域にいる人たちが、自分たちの課題を解決していけるようにしたいですね。まずは、Co.to.hanaの求人に応募してくださる様々な国や地域の人たちを雇用することから始め、お互いのノウハウを学び合っていけたらと思っています。

みんなが学び合える場があったら、一人で考えていた人も足を運びやすいですね。つながりが生まれる場所を作るって素敵です!

そこで出会った人が新しい組織を作ったり、イベントに参加するきっかけになったりしたらいいですよね。

特定非営利活動法人Co.to.hana

「誰かに与えられるのを待つのではなく、なければ自分たちでつくればいい」。課題を解決したい人が思いを形にできる社会をめざして、当事者として、伴走者として、あらゆる課題に取り組んでいる。
URL:http://cotohana.jp/

インタビューを終えて・・・

西川さんは、身の回りのことから社会のことまで、課題から目をそらさず、自分事として考えておられました。そんな西川さんであるからこそ、リーダーとして頼りにされそうですが、どのプロジェクトに関わる際も伴走者であることを徹底されていました。そうすることで、参加者が主体的にプロジェクトへ関わることにつながり、思いをもってプロジェクトをリードする人が育っていました。
一人では解決できないことも、いろいろな人の力を借りることで解決につながります。身の回りの課題から目をそらさず、自分のこととして考える。その姿勢を、これからの社会を担う私たち一人ひとりが持つことができれば、より多くの社会的課題を解決できるのではないかと思いました。
日々の業務に追われて終わるのではなく、感じた違和感を大切に、身の回りの課題について目を向けていくことから始めたいと思いました。そして、デザインの力を借りて、たくさんの人を巻き込んでいけるように、私自身を成長させていきたいです!

文:岡田 みなみ(2017年入所)

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