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安心をPlease
2009年9月度の検査報告
細菌検査(腐敗やカビなど)
865件
理化学検査(残留農薬、添加物、栄養成分など)
155件
衣住関検査(繊維製品、家庭用品)
17件
官能検査(来館パネラーによる商品開発のテスト
4品目  72人
官能検査(在宅モニターによる商品開発のテスト
0品目  0人
お申し出対応
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ご案内

「なぜ?か気になる食と暮らしのQ&A」〜組合員からのお申し出事例集〜

商品検査センターに寄せられるお申し出とその回答をまとめた本が10月27日に発売されます。
「トマトを切ったら空洞になっていたけどなぜ?」など、食品・身の回り品のさまざまな疑問を解消する「知恵袋」としてご活用ください。
163事例をオールカラーで分かりやすく紹介しています。

 

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●発売:神戸新聞総合出版センター
●発行・問い合わせ:商品検査センターTEL:078-453-0116

 

 

 

            
 
 
 
 
 
 
 


健康食品・サプリメントのうそ・ほんと  Vol.17
金沢 和樹  

プロフィール 
神戸大学大学院 農学研究科教授

コープこうべ商品検査センター顧問

 

 

 


17.食生活でのがん予防 〜その1〜

 
 がんの原因を世界中の人を対象にして調べた信頼性が高いデータがあります。それによるともっとも大きな原因は食事、二番目が喫煙、そして感染、性行動、特殊な職業、飲酒の順です。もしここで、日本のような衛生観念の高い国で生活しており、タバコを吸わない人ならば、がんの原因のほとんどが食事ということになります。この食事が原因するがんの中に、食品添加物や農薬は含まれていません。食品添加物や農薬が原因するがんは、原因の全部を100%とすると、わずかに0.7%です。つまり日常の食生活が知らず知らずのうちにがんの原因になっているのです。ならば、日常生活に留意すればがんは十分に予防できることになります。それを考えてみましょう。

―がんの原因
がんは遺伝しません。発がんの直接の原因は遺伝子の異常、つまり遺伝子の変異です。遺伝子に変異がおこった場合、ごく稀な特殊な場合を除いて、新しい生命が発生することはできません。変異遺伝子を持つ受精卵は成長する前に死んでしまいますので、変異した遺伝子が親から受精卵を経て子供に伝わることはありません。しかし、よくがんの家系という言葉を聞きます。それは遺伝子が遺伝しているのではなく、その家系の生活習慣、とくに食生活が遺伝、伝統しているからです。料理の味の濃さ、調理の仕方、好き嫌いによる食生活の偏りなどが親から子に継がれているからです。食品を加熱調理すると必ず発がん物質が生じます(次項参照)。人の大腸内では発がん性がある二次胆汁酸が作られます(本シリーズ9の「食物繊維の8つの効能」参照)。これらは避けることができません。しかしこれらの発がん性を抑える成分が植物性食品に多様に含まれています。また、濃い塩味は胃がんを促進します。つまり、濃い味を好む食習慣や偏食しがちな食習慣と、うす味で野菜・果物・茶類を多様に摂る習慣の違いが発がんに深く関係しているのです。

―発がん物質
遺伝子に変異をおこす物質を変異原といいますが、この変異原物質が発がん物質です。そこで、私たちが普段食べる可能性がある変異原物質をあげて、その発がん性の強さを図26で比較してみました。大きな横向きの矢印の上の数値は、この量を体重1 kgあたり毎日食べ続けると5年から20年くらい先に50%くらいの率でがんになるという数値です。例えば右端の1000分の1 mgは、体重が60 kgの人ならば毎日1000分の60 mgを食べ続けるとがんになる可能性が高いということです。これがどれくらいの量かというと、耳かき1杯が約3 mgですが、その500分の1量です。目に見えないほど少量です。

 



そして地上で一番強い発がん物質のアフラトキシンがこの強さです。アフラトキシンは土壌カビが作る天然物です。半世紀昔、イギリスで飼育していた七面鳥10万羽が死にました。輸入したピーナッツを餌にしていたのですが、そのピーナッツがアフラトキシンに汚染されていました。ピーナッツは土の中で成育しますので、殻に土壌が付着しています。輸送は赤道直下の暑いところを通りますが、その高温で土壌中のカビが増え、多量のアフラトキシンを作ったのです。この土壌カビは熱帯地方でしか繁殖しません。また現在は、輸入時に検出するシステムが確立しています。私たちの口にアフラトキシンが入ることはほとんどありません。アフラトキシンの他にも、自然界には強力な発がん性の天然物が多数あります。しかし、日本の食文化はそれを除く知恵を育んでいます。例えばワラビはプタキロサイトという発がん物質を含んでいます。日本の食文化では、ワラビは食べる前に必ずあく抜きします。このあく抜きでプタキロサイトは完全に除くことができます。
次に強い発がん物質は排気ガスやタバコの煙に含まれているベンズピレンです。これは都会で生活していれば避けることができませんが、大気中に含まれている物質ですから量はごくわずかです。その次に強いのがニトロソアミンです。ニトロソアミンは食品成分同士が消化管の中で反応しあってできる物質ですので、これも避けることはできません。しかし、ニトロソアミンは直接変異原という発がん物質です。直接変異原とは遺伝子に直接作用するほど反応性が高い物質という意味ですが、反応性があまりにも高いために、遺伝子に接近する前に他の成分と反応してしまって壊れてしまいます。ニトロソアミンは人の消化管内できますが、体内に入る前に消化管内の他の食品成分と反応しあって無害になります。人のがんとは関係がないことが証明されています。

―調理発がん物質
では、何が食事による発がんに深く関わっているのでしょうか。図26の中央に数本の矢印で示したのが、食品を加熱したときにタンパク質が分解してできる調理発がん物質です。発がん性が強いものが17種類見つかっています。加熱調理は、食中毒菌を熱で殺菌しますので、重要な調理法です。加熱調理を避けてはいけませんが、タンパク質を含まない食品はありませんので、加熱調理すればどのような食品でも調理発がん物質を生じます。昔、おこげが発がん物質とよばれたことがあります。しかし焦がすと炭化して黒い炭になってしまいます。炭に発がん性はありません(炭石鹸で洗顔してもがんになりません)。調理発がん物質は90℃以上に加温すればできるので、焦げた箇所ではなく、焦げずに温められた部分に含まれています。その発がん性は、体重60 kgの人ならば毎日300 mgほど、小さじに15分の1ほどを食べ続けると現れると考えられています。一方、私たちが食べている量は多くなく、その2万から75万分の1と概算されています。
比較のために食品添加物のサッカリンと農薬をあげてみました。甘味料のサッカリンは雄のネズミの膀胱だけにがんを誘発する特殊な物質です。雌のネズミにも、人にも無害であることが証明されています。また、昔使用されていた農薬には発がん性があるものもありましたが、現在使用されている農薬で発がん性があるものはありません。昔の農薬とサッカリンの発がん性を、調理発がん物質と比較すると、調理発がん物質は毎日耳かき60杯食べればがんになるかもしれない。ところが、サッカリンや農薬はお茶碗1杯、あるいはどんぶりに1杯を食べ続けなければがんにならないのです。お茶碗1杯は不可能な量ですので、これが先に書いた食品添加物や農薬はほとんど発がんの原因になっていないという理由です。
さて、調理発がん物質は、食べる量は少ないですが、食品を加熱調理する限り毎日一生涯食べ続けるものです。食べ続ければ体内に蓄積して高齢になってから発がんする可能性があります。というのは、調理発がん物質は間接変異原だからです。間接変異原というのはそのままでは全く毒性を示さない安定な物質で、壊れることなく体内に吸収されます。そして肝臓でCYP(シーワイピー)という酵素によって酸化されて強力な発がん物質に変わります。なぜ人の体が発がん物質を作り出すのかというと、肝臓は調理発がん物質のような異物を酸化することでマーキングし、次いで酸化した部分を抱合(ほうごう)という反応で無毒化して尿に排泄しようとします。ところが、はじめの酸化反応と、次の抱合反応の間に1日あまりのずれがあるのです。抱合反応を担う酵素が作られるのに時間がかかるのです。その結果、肝臓細胞内に発がん性の強い酸化物が溜まり、これがその近くにある遺伝子に変異を誘導するのです。サルに調理発がん物質を食べさせた試験で、その酸化物がサルの遺伝子に結合しているのが認められています。調理発がん物質は体の中に溜まらない方がいいのです。食事のごとに、食べた調理発がん物質を無毒化するのが好ましいのです。次項ではその方法を考えてみましょう。

―植物性食品のがん予防効果

図27に、発がんの機構とそれを予防する食品成分をまとめてみました。発がんは発生する臓器や部位で異なり多様で、複雑な機構で進みます。しかし要約すると図27のように簡略にまとめることができます。正常細胞が変異原によって遺伝子の変異を受けると変異細胞になります。不安定で壊れやす


い直接変異原は消化管内で、安定な間接変異原は肝臓などで変異を誘発します。これを発がんの開始段階とよんでいます(図の(1))。しかし細胞は一回の開始だけではがん細胞になりません。少なくとも3回以上変異がおこらなければがん細胞になりませんが、この追加の変異は体内の物質によって促進されます。これが促進段階です(図の(2))。促進段階を経てがん化した細胞も、まだ深刻ながんではありません。がん化した細胞は激しく細胞分裂を繰り返して数を増します。ところが、ある程度数が増えると細胞が密集しすぎて酸素不足と栄養素不足に陥ります。そこでがん細胞は酸素と栄養素を補給するために自分たちに専用の血管を作ります(図の(3))。このようにして数を増やしたがん細胞は、さらに血管内に出て来てより増殖しやすい新天地を求めて移動します(図の(4))。これらが発がんの発展段階です。
そこで、それぞれの段階で有効に作用して発がんを予防する科学的に証明されている食品成分を枠内に示しました。聞きなれない名前の成分かもしれませんが、いずれも日常食品の成分です。そしてすべて、野菜、果物、茶などの植物性食品の成分です。



→次回は食品成分について詳しく見てみます。

 





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