2.ビタミンとミネラルのサプリメント
前回のHPの表1に、市販されている健康食品・サプリメントを効能別に分類しました。今回以降は、分類したそれぞれについて具体的に効能の「うそ・ほんと」と、問題点を考えてみようと思います。まず、分類の一つ目の「微量栄養素補給」食品です。
―微量栄養素補給食品―
栄養素補給食品、英語ではサプリメントです。微量栄養素とは、食経験的にも科学的にもヒトが健康を維持するために微量でよいが摂らなければならない必須の食品成分、つまりビタミン類と無機質(ミネラル)類です。本来は、図3にピラミッドで示しましたように、日々の食生活で様々な食品を多様に組合せてバランスよく適量ずつ摂る、とくに野菜・果物・茶類を多く摂ることで充たすべき成分です。


しかし、現代のように核家族や一人暮らしが多くなり、食スタイルが不安定になりますと、多様な食品を毎日調理するのが困難な人が増えました。そこで、これを補給する食品が市販されるようになりました。ビタミン類とミネラル類を補給するサプリメントの「うそ・ほんと」を判定しますと、用いてもよいという意味で「ほんと」です。ただし留意しなければならないことが2つあります。
―過剰摂取―
一つは過剰摂取です。体に必須な成分だからといって摂りすぎますと、ビタミン類の中にも無機質類の中にも過剰毒性が現れるものがあります。摂取上限値が定められているビタミンは、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸(最近、過剰性がない葉酸が開発されました)、ビタミンA、ビタミンE,ビタミンDです。とくにビタミンAの過剰毒性は深刻ですので、ほとんどのサプリメント商品はビタミンAを用いていません。摂取上限値が定められている無機質は、カルシウム、リン、モリブデン、鉄、マンガン、銅、セレン、亜鉛、ヨウ素です。サプリメントでは、これらの摂取上限がある成分については含有量を抑えて配合しています。通常の食事で摂ると予測される量を考慮して、含有量を一日摂取推奨量の50〜70%に抑えてあります。そして「一日何錠を目安にしてください」と書いてあります。この目安を守りましょう。ところで、現代日本人は鉄とカルシウムが不足がちです。とくに女性は月経で鉄を排泄しますので不足に注意しなければなりません。また、妊娠時は胎児の骨格形成に多量のカルシウムが必要です。しかし、摂りすぎは逆に病気につながる可能性があります。鉄はサプリメント以外にも血を濃くするなどの鉄粉や、鉄やカルシウムを特異に配合した薬も市販されているので使用量をきっちり守りましょう。

ー高価な製品が良いとは限らないー
もう一つの悩ましい問題が品質規格です。生鮮食品にはJAS規格があり、食品添加物には公定書があります。ところが、サプリメントのような組合せ食品は従来なかった食品ですので、規格がありません。そこで企業は協会を設立して自主規格で品質を管理しています。しかし、協会に所属しない販売業者もあります。また、成分を特殊な素材から調製してプレミア付きで販売している業者もあります。高いものほど良い製品だと錯覚させる商法です。これらの製品には、鉛、カドミウム、砒素などの重金属の残存量が基準値を上回っているものがありました。また、カルシウムはサンゴ、貝殻、牛骨などを焼いて調製することが多いのですが、有機物を焼きますと当然ダイオキシンが生じます。むしろ石灰石などから調製する方がよいのです。カルシウムが骨をつくるとき、カルシウム単独ではあまり有効ではなく、同時にカルシウムの半分量のマグネシウムが必要です。カルシウムとマグネシムを2対1の比率で含んでいるドロマイトなどの素材が好ましいことになります。このようにビタミンサプリメントにも、ミネラルサプリメントにも品質規格はありません。一方、理想の組成で品質規格が厳密に管理されているものがあります。ビタミン剤やミネラル剤です。これらは薬局方で品質や純度が定められており、しかもサプリメントよりも安価です。サプリメントの中には何の利点もないのに、薬局方のビタミン剤やミネラル剤の10倍以上の価格のものがありました。悩ましい結論ですが、薬局で買う場合でもサプリメントは避けて、できるだけ安いビタミン剤やミネラル剤を買う方が安全で健康にも好ましいということになります。

コープこうべ・シーア店のドラッグコーナー
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